はじめに
「眠れない…」と感じたことがある方も多いと思いますが、うつ病と睡眠障害は切っても切れない関係にあります。
私がうつ病を発症した際、最初に強く現れた症状の一つが不眠でした。
しかし、当時の私はそれがうつ病のサインであることに気づかず、「ただの疲れ」や「コロナ禍によるストレスのせい」だと思い込んでいました。
この記事では、私が体験した睡眠障害の進行と、それに伴う影響、そして不眠からの回復へ向けて実践したステップをご紹介します。

睡眠障害の始まり – 些細な変化が不眠のサイン
最初は、夜更かしが増えただけのように感じていました。
コロナ禍でのオンライン授業が始まり、毎朝決まった時間に起きて通学する必要がなくなりました。
自由な時間が増えた分、「明日の朝に見ればいい」と後回しにすることが増え、夜遅くまで起きているのが日常になっていったのです。
エピソード:
「それまで午前0時前には布団に入り、朝8時には起きる生活をしていたのに、次第に夜更かしが常態化していきました。
寝ようと思っても、ベッドの中でスマホを見てしまったり、気がつけば夜中の3時、4時。
翌日は昼過ぎまで眠り、気力が湧かないまま一日が終わっていくことが増えていきました。」
このような睡眠パターンの乱れは、うつ病の典型的な初期症状の一つです。

睡眠リズムの崩壊 – 昼夜逆転と精神の消耗
睡眠の乱れが進行すると、日常生活にも支障が出始めました。
夜になっても眠れず、布団に入っても頭の中がぐるぐると回り続け、寝付きに何時間もかかるようになりました。
その結果、昼夜逆転の生活になり、昼間に必要な活動ができなくなってしまう悪循環が続きました。
エピソード:
「夜更かしが進行し、ついに昼夜逆転の生活に突入。
寝られるのは朝方の5時、6時。
起きるのは夕方になり、そこからの活動意欲はまったく湧かず、ただ一日が過ぎていくだけ。朝日を見るたびに絶望を感じました。」
注意すべきサイン:
- 夜眠れず、朝起きられない
- 頭が疲れていても、眠気がこない
- 昼間に活動できなくなる
不眠による精神的な消耗は想像以上に大きく、気持ちが落ち込むことが日常になっていきました。
不眠の影響 – メンタルと体の悪化
睡眠障害が続くと、精神的な影響だけでなく、体にも悪影響が出始めました。
特に集中力の低下や食欲の減退が顕著で、大学の課題に取り組む意欲がなくなり、食事も面倒に感じるようになっていきました。
何より、朝起きられないことが大きなストレスとなり、「自分はダメなんだ」という自己否定感が強まっていったのです。
エピソード:
「布団に入っても眠れない夜が続くと、頭の中でいろいろなことを考えてしまい、不安が増幅していきました。
次第に何もかもが億劫に感じ、友達との連絡すら取れなくなっていきました。
食欲もなくなり、一日一食で過ごす日が増えました。」
回復へのステップ – 睡眠障害の改善策
睡眠障害が進行し、心身ともに疲れ果てた私は、ついに精神科を受診しました。
ここで出会った医師やカウンセリングが回復への大きな一歩となりました。
睡眠障害の改善には、薬物治療と生活習慣の見直しが大きく貢献しました。
1. 薬物治療:
最初に処方されたのは睡眠薬でしたが、私には合わず、朝起きてもふらふらするだけでした。
そこで専門の睡眠障害クリニックを訪れ、医師と一緒に最適な薬を見つけていきました。
「薬を変えながら、少しずつ眠れるようになっていきました。
合う薬が見つかるまでには時間がかかりましたが、最終的に夜にしっかり眠れるようになったことで、生活全体が安定し始めました。」

2. 生活習慣の改善:
薬物治療と並行して、睡眠の質を向上させるために生活習慣の見直しを行いました。
以下のような具体的な対策を取り入れました。
- 毎日決まった時間に起きる:最初は辛かったですが、朝決まった時間に起きて自然光を浴びることを習慣化しました。
- 夜はリラックスできる環境を作る:就寝前にスマホを使うのをやめ、落ち着いた音楽を流すなど、リラックスできる環境を整えました。
- 運動を取り入れる:軽い運動を日中に取り入れることで、夜に自然と眠れるようになりました。

再発予防のために続けていること
睡眠の質を改善し、再発を防ぐためには継続的な取り組みが必要です。
私は今でも以下の習慣を続けています。
- 規則正しい生活リズムを保つこと
- 毎日5000歩の散歩をして、日光を浴びる
- 就寝前はスマホやPCを使わない
これらの習慣を守ることで、うつ病や睡眠障害の再発を防ぎ、安定したメンタルと体調を保つことができています。

まとめ:不眠は体と心のSOSサイン
不眠はうつ病のサインの一つであり、放置するとメンタルだけでなく体にも大きな影響を与えます。
しかし、適切な治療と生活習慣の見直しで改善することが可能です。
もし、長期的な不眠に悩んでいるなら、我慢せずに専門家に相談することを強くお勧めします。
睡眠の質を向上させることで、心も体も回復へと向かう道が開けるでしょう。
次回は、私が体験した「精神科初診での失敗と医療機関の選び方」についてお話しします。
あなたの心の健康を守るために、適切な医療機関を選ぶ方法をお伝えします。
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